研究科長・学部長の挨拶|東京大学大学院薬学系研究科・薬学部

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東京大学大学院薬学系研究科・薬学部

研究科長・学部長の挨拶

研究科長・学部長よりメッセージ 新井 洋由

薬学系研究科長・薬学部長 新井 洋由

平成28年4月より薬学系研究科長・薬学部長を拝命しました新井です。新研究科長・学部長としてご挨拶を申し上げます。

本研究科は、明治6年(1873年)に第一大学区医学校に予科2年本科3年の製薬学科の開校を発端とする大変歴史のある学科・研究科であります。設立以来、日本をリードする研究者、教育者を育成するとともに、産業界、医療機関、そして行政の分野におきましても大変優秀な人材を輩出してきました。

医薬品開発には、基礎研究、非臨床試験、臨床試験(治験)、さらに最近では、市場に薬が出た後の育薬というプロセスがあります。近年、「医薬品開発」という言葉に代わり「創薬」という言葉をよく見聞きするようになりました。この言葉は1990年頃創出された比較的新しい造語でありますが、「医薬品開発」に比べまして「創薬」という言葉には「サイエンス」の意味合いを強く感じます。それを反映するように、現在の医薬品開発では、従来の低分子医薬品に加えて、抗体医薬、核酸医薬、さらには再生医療といった、最新の科学的知見に基づく全く新しい医薬品が開発されつつあります。また、世界的レベルの製薬企業であっても、新しい創薬標的を見つけ出すのが難しくなってきており、大学の研究室に創薬シーズを求める機会が多いに増えてきております。

「根本的な科学の発見無しに革新的な医薬品は創出できない」という言葉があります。本研究科では、世界最高水準の基礎研究を遂行し、新しい分子機能・生命現象の発見、新しい反応・合成技術の発明、新しい分析技術の開発、等を通して、創薬の基礎研究領域に新しいシーズの創出を目指しております。さらに、医療現場での指導的薬剤師養成、承認・審査とその方法論の開発(いわゆるレギュラトリーサイエンス)、副作用情報・ドラッグリポジショニングなどの育薬、といった基礎研究以降の創薬プロセスの分野におきましても、薬剤師資格を取得する薬学科を中心に、寄付講座等の設立を適宜諮り、先導的な貢献を目指しております。

学問の発展のキーワードの一つに学際という言葉がありますが、本研究科は、有機化学、生物化学、物理化学等の基礎研究分野から薬剤学、レギュラトリーサイエンス等の応用科学が風通しよく切磋琢磨している組織であります。本研究科の研究活動が極めて高い水準にあることは、国際学術誌への公表論文の質と量、科学研究費補助金等の競争的研究資金の獲得額、さらに構成員の学術賞・学会賞等の受賞からも明らかであります。また、近年東大教養学部からの進学部選択において極めて希望者が多い人気学部であり、進学振分点数上最も優秀な東大生が本学部に集まっております。研究の醍醐味は「予想外の実験結果に心がときめく」事だと思います。学部生、大学院生、そして若い研究者達にそのような経験を味わい、将来日本の科学・技術をリードする人材に育ってもらいたいと思います。一方、産業界、行政の分野に優秀な人材を輩出するには、まず意見を聞きそして話し合う事が肝要であると考えております。こうした活動を通して、お互いの理解を深め今後の建設的な方策が見えてくるものと確信しております。

今後、現在の恵まれた状況やこれまでの栄光に甘んじることなく、基礎研究にさらに貢献すると共に、産業界、行政等とのパイプを拡大し、日本の科学、産業、行政に貢献していく所存でございます。

掲載日:2016年4月1日


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