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2017/01/18 (Wed)

有機反応化学教室の川俣貴裕大学院生、長友優典助教、井上将行教授が、高度に酸素官能基化された複雑天然物ザラゴジン酸Cの全合成に成功

有機反応化学教室の川俣貴裕大学院生、長友優典助教、井上将行教授は、高度に酸素官能基化された複雑天然物であるザラゴジン酸Cの全合成を、入手容易な糖を原料とし、高酸化度な中間体に対する光化学的炭素–水素結合のアシル化を鍵反応として用いることで達成しました。本研究成果は、2017年1月16日付けでJournal of the American Chemical Society電子版に掲載されました。
 
発表論文
掲載雑誌名: Journal of the American Chemical Society
論文タイトル: Total synthesis of zaragozic acid C: Implementation of photochemical C(sp3)–H acylation
著者: Takahiro Kawamata, Masanori Nagatomo, Masayuki Inoue*
DOI: 10.1021/jacs.6b13263

リンク先:http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jacs.6b13263
 
発表概要:
ザラゴジン酸Cおよびその同族体は、哺乳類のスクアレン合成酵素に対する阻害活性を有する天然物です。これらはコレステロール生合成の抑制作用を示すため、新規高脂血症治療薬として期待されてきました。さらに近年、本天然物群は、抗腫瘍剤に有用な性質であるras-ファルネシルタンパク質転移酵素阻害作用や、プリオンおよびアミロイドbペプチドの毒性作用からニューロンを保護する機能、およびデングウイルスの複製ならびにC型肝炎ウイルス産生を阻害する作用を示すことが報告されています。
化学構造の特徴として、2連続四置換炭素を含む高度に酸素官能基化された母骨格が挙げられます。今回、研究グループは、入手容易な糖を原料とし、光化学を利用した炭素–水素結合のアシル化を鍵反応に用いて、ザラゴジン酸Cの全合成を達成しました。本研究において独自に開発し、鍵反応に用いた化学・立体選択的な炭素–水素結合の官能基化は、高酸化度な中間体に対しても予測した選択性を示し、従来では困難であった新しい分子変換を可能としました。そのため、本手法の複雑有機分子の効率的な合成への応用展開が期待されます。

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