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2017/01/30 (Mon)

薬品作用学教室の高夢璇大学院生、池谷裕二教授らが、人工知能を用いて薬物の副作用を予測することに成功

 薬品作用学教室の高夢璇大学院生、池谷裕二教授らの研究グループは、ヒトでの薬物のけいれん誘発作用をマウス脳スライスの実験データ画像から予測することに成功しました。本研究成果は、Journal of Pharmacological Sciences誌(1月28日オンライン版)に掲載されました。
 
 医薬品の研究開発では、ヒトを対象とする臨床試験の前段階として、前臨床試験による安全性の確認が行われていますが、この段階で中枢神経系に対する副作用を予測することは困難です。ヒトにおいてけいれんを誘発する副作用が報告されている薬物は、特徴的なけいれん様発射を引き起こすことがわかっています。しかし、この変化は視認することは容易でも、古典的な数学によって定義し、正確に解析することは困難でした。そこで、研究グループは、マウス脳スライス標本に、さまざまな作用機序を持つ薬物を適用し、神経活動の様子を画像ファイルに変換してディープラーニングに判別させることで、観察された変化がけいれんを誘発する副作用と一致するかを比較しました。その結果、調べた16種の薬物すべてについて、副作用の有無を正確に予測できることがわかりました。
 
雑誌:Journal of Pharmacological Sciences(1月28日版 日本薬理学雑誌)
題目:Machine learning-based prediction of adverse drug effects: an example of seizure-inducing compounds
(機械学習を用いた薬物副作用の予測:けいれん誘発化合物の例)
著者:Mengxuan Gao, Hideyoshi Igata, Aoi Takeuchi, Kaoru Sato, Yuji Ikegaya
(高 夢璇、井形 秀吉、竹内 碧、佐藤 薫、池谷 裕二)
DOI番号:10.1016/j.jphs.2017.01.003
アブストラクトURL:http://dx.doi.org/10.1016/j.jphs.2017.01.003
 
 この実験系は薬品開発の前臨床段階において、動物試験の代わりに、化合物のけいれん誘発作用を精度よく予測できる手法の一つとなりえます。また、本研究で用いられた画像認識のモデルは、おそらく多くの一般的な実験データ解析にも応用できると考えています。人工知能を用いたデータ解析は、自動化・高速化のみならず、人為バイアスのかからない高確度化・高精度化を実現するものと期待されます。

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