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2017/05/27 (Sat)

有機合成化学教室の山次健三助教、川島茂裕特任講師、金井求教授らが染色体タンパク質の狙った部位に化学修飾を導入する触媒を開発

科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業ERATOにおいて、東京大学大学院薬学系研究科の金井 求 教授、川島 茂裕 特任講師、山次 健三 助教らのグループは、細胞が用いるアセチル化剤(アセチルCoA)を活性化して、標的とするタンパク質の狙った部位に対して、アセチル化を選択的に導入する触媒を開発しました。
本研究成果は、2017年5月23日(米国東部時間)に米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン速報版で公開されました。
 
【発表雑誌】
雑誌名: Journal of the American Chemical Society
論文タイトル: Synthetic posttranslational modifications: Chemical catalyst-driven regioselective histone acylation of native chromatin
著者: Yoshifumi Amamoto, Yuki Aoi, Nozomu Nagashima, Hiroki Suto, Daisuke Yoshidome, Yasuhiro Arimura, Akihisa Osakabe, Daiki Kato, Hitoshi Kurumizaka, Shigehiro A. Kawashima*, Kenzo Yamatsugu*, and Motomu Kanai*
DOI番号:10.1021/jacs.7b02138
アブストラクトURL:http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jacs.7b02138
 
【発表概要】
染色体は、ヒストンと呼ばれるタンパク質とDNAから構成されています。ヒストンは生体内の酵素によって、アセチル化などの種々の化学修飾を受けます。化学修飾を受けるヒストンの部位や修飾の種類によって、異なる機能が発現することから、ヒストンの化学修飾は様々な生命現象の制御に関与していると考えられています。
本研究グループは、反応させたい部位の近くでのみアセチルCoAを活性化する、位置選択的な化学触媒DSHを開発しました。この触媒を別のアシルCoAと一緒に用いると、アセチル化のみならず、ヒストンに対して多様なアシル化を導入できました。また、本触媒を用いてヒストンの特定のアミノ酸残基を人工的にアシル化することにより、染色体の物性が変化することを解明しました。このことは、化学触媒を用いることにより遺伝子の転写を人工的に促進できる可能性を示唆しています。
この触媒は、ヒストン化学修飾を介した生命現象を理解するための有用な研究ツールとなるだけでなく、生体内酵素を人工触媒により代替することで疾患を治療する“触媒医療”への応用が期待されます。
 


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