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2018/01/09 (Tue)

機能病態学教室の木棚究特別研究員、建部卓也元大学院生、富田泰輔教授らが、アルツハイマー病の病態形成に関わるアストロサイト由来アミロイドβ分解酵素を世界で初めて発見

機能病態学教室の木棚究特別研究員、建部卓也元大学院生、富田泰輔教授は、本学医学系研究科、第一三共株式会社、新潟大学脳研究所、理化学研究所脳科学総合研究センターとの共同研究により、アルツハイマー病原因タンパク質アミロイドβの脳内存在量および蓄積速度を規定する新規酵素KLK7を同定し、その活性化メカニズムを解明しました。本研究成果は、2018年1月8日付で「EMBO Molecular Medicine」に公開されました。 

 

発表論文 

掲載雑誌名: EMBO Molecular Medicine 

論文タイトル: Loss of kallikrein-related peptidase 7 exacerbates amyloid pathology in Alzheimer’s disease model mice 

著者: Kiwami Kidana, Takuya Tatebe, Kaori Ito, Norikazu Hara, Akiyoshi Kakita, Takashi Saito, Sho Takatori, Yasuyoshi Ouchi, Takeshi Ikeuchi, Mitsuhiro Makino, Takaomi C. Saido, Masahiro Akishita, Takeshi Iwatsubo, Yukiko Hori and Taisuke Tomita 

DOI: https://doi.org/10.15252/emmm.201708184 

論文へのリンクはこちら: 

http://embomolmed.embopress.org/cgi/doi/10.15252/emmm.201708184 

プレスリリースはこちら: 

https://www.amed.go.jp/news/release_20180108.html 

 

研究発表の概要 

大きな社会問題となっているアルツハイマー病の発症機構では、脳におけるアミロイドβの異常凝集および蓄積が重要であると考えられています。一方、脳に存在する神経細胞以外の細胞のうち、その大部分を占めるグリア細胞の一つ、アストロサイトが、神経機能に対してさまざまな影響を及ぼしていることが近年注目を浴びています。しかしアルツハイマー病におけるアストロサイトの病的意義については不明な点が多く残されていました。 

今回、東京大学大学院薬学系研究科の富田泰輔教授、木棚究特別研究員、建部卓也元大学院生らのグループは、アミロイドβを分解する新規酵素kallikrein-related peptidase 7(KLK7)を同定し、脳内ではアストロサイトが分泌していること、またアルツハイマー病患者脳ではその発現量が低下していること、さらに遺伝子をノックアウトしたモデルマウスにおいてはアミロイドの蓄積が亢進することを明らかにしました。加えて、アストロサイ

トにおけるグルタミン酸シグナルを抑制することでKLK7の発現量と分解活性を上昇させることができることを見出しました。 

本研究成果はこれまでにアルツハイマー病発症機構において注目されてこなかったアストロサイトを標的とすることで新規治療・予防薬の開発につながることが期待されます。

 


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