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2016/06/30 (Thu)

有機合成化学教室の谷口敦彦研究員、相馬洋平ERATOグループリーダー、金井求教授らが、病原性アミロイド構造のみを区別して酸素化する光触媒を開発

東京大学大学院薬学系研究科の谷口敦彦研究員、相馬洋平ERATOグループリーダー、金井求教授らのグループは、病原性アミロイド構造のみを区別して酸素化する光触媒の開発に世界で初めて成功しました。本研究成果は、Nature Chemistryのオンライン速報版で公開されました。
 
発表雑誌:「Nature Chemistry」
論文タイトル:Switchable photooxygenation catalysts that sense higher-order amyloid structures
著者:Atsuhiko Taniguchi, Yusuke Shimizu, Kounosuke Oisaki, Youhei Sohma & Motomu Kanai
DOI番号:10.1038/NCHEM.2550
論文へのリンク:
http://www.nature.com/nchem/journal/vaop/ncurrent/full/nchem.2550.html
プレスリリースへのリンク:
http://www.jst.go.jp/pr/info/info1191/index.html

アルツハイマー病の発症には、アミロイドβ(Aβ)と呼ばれるタンパク質の凝集体が神経細胞を傷つけることが関与していると考えられています。本研究グループは、触媒反応を用いる新しいアルツハイマー病治療法の確立を目指しており、これまでにもAβを酸素化することで凝集を抑える光触媒の開発に成功しています。しかし、Aβだけでなく、生体内で重要な役割を果たしている他の生体分子も同時に酸素化してしまうという問題がありました。他の生体分子を酸素化させないためには、Aβに結合したときのみ酸素化を起こす選択性の強い光触媒が必要であると考え、Aβ凝集体に特有な高次構造を区別して酸素化する光触媒を開発しました。本触媒を用いてAβを酸素化すると、Aβ凝集体のさらなる凝集が抑えられました。また、本触媒にAβを認識するペプチドを結合させると、細胞存在下でもアミロイド構造を区別したAβの酸素化が進行し、Aβ凝集体による細胞毒性が軽減されました。今後、本触媒を、エネルギーの小さい光でも酸素化を起こせるようにし、さらに生体に適合したものへと改良することで、触媒反応を用いた新しいアルツハイマー病治療法の確立につながるものと期待されます。
 

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