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2017/08/01 (Tue)

天然物化学教室の森貴裕助教、阿部郁朗教授らが、糸状菌二次代謝産物の複雑骨格生合成に関わる新規異性化酵素の構造解析に成功

東京大学薬学系研究科の阿部郁朗教授と森貴裕助教(当時)らの研究グループは、複雑骨格天然物の生合成に関わる異性化酵素の立体構造を明らかにし、その酵素反応メカニズムを解明しました。本研究成果は2017年7月31日付でNature Chemical Biology (オンライン版)に掲載されました。
 
原著論文: Molecular basis for the unusual ring reconstruction in fungal meroterpenoid biogenesis  (Nature Chemical Biology) doi: 10.1038/nchembio.2443
論文はこちら:
https://www.nature.com/nchembio/journal/vaop/ncurrent/full/nchembio.2443.html
 
自然界には様々な構造の化合物があり創薬資源として探索されていますが、中でもメロテルペノイドと呼ばれる化合物群は、植物や微生物に見出され、多様な生理活性を示すことが知られています。これらのメロテルペノイド化合物の生合成酵素は、劇的な骨格変換の触媒によって、その構造多様性を生み出す、ユニークな生体触媒として注目されています。
本研究グループは、糸状菌メロテルペノイド生合成に関わる分子量15kDa程度の機能未知タンパク質に注目し、その酵素が異性化反応だけでなく、多段階の加水分解反応をも触媒することを明らかとしました。それぞれの反応中間体と酵素の複合体の結晶構造解析を行い、その多段階反応の触媒メカニズムを詳細に解明することに成功しました。さらに、酵素の立体構造を基にアミノ酸変異を導入することで、立体の反転した化合物や、野生型反応と異なる加水分解反応によって新規骨格化合物を与える、機能改変酵素の創出にも成功しました。今後、本研究で得られた知見を元に、生体触媒によるドラッグデザイン研究が発展し、有機合成では困難な反応などをターゲットとした創薬研究に貢献することが期待されます。
 


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