専門分野・教室紹介|東京大学大学院薬学系研究科・薬学部

東京大学大学院薬学系研究科・薬学部
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東京大学大学院薬学系研究科・薬学部

薬学 - 医療薬学

研究科長・学部長 新井 洋由
副研究科長 金井 求
教育研究評議員 船津 高志
 
(2017.4.1現在)
:薬科学専攻長
:薬学専攻長
各教室のホームページは各教室の責任で運営されています。

分子薬物動態学

http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~molpk/index.html
教授:楠原 洋之
講師:前田 和哉
助教:林 久允・水野 忠快

薬物分子の体内動態を解明し、安全な医薬品のデザインと医薬品適正使用に貢献する

研究課題
  1. 薬物の体内動態及び薬効の試験管レベルから個体レベルへの再構築: 遺伝子多型による体内動態の個人差および薬物間相互作用の予測
  2. 薬物の肝腎振り分け機構、血液脳関門透過機構の解明
  3. トランスポーターの膜局在制御の解明
  4. トランスポーターの利用によるドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発
  5. 薬物による組織毒性発現機構の解明
  6. トランスポーターの転写制御・エピジェネティック制御機構の解析

 薬物による効果や副作用を予測するためには、薬物分子の体内での動きを知ることが必須です。しかし、薬物は様々な物性を持っているために、一概にそれらの動きを説明することはできません。私たちは、これらの薬物を細胞内へ取り込んだり排出する働きを持つ、薬物トランスポーター群の性質を知ることで、薬物がどのような動態特性を示すのか予測できるのではないかと考えています。薬物速度論、生化学的および分子生物学的手法といった様々な手法を用いて、肝臓、腎臓、小腸および脳における薬物トランスポーターの解析を行っています。また、薬物の効き方には個人差があることが知られています。上記の研究を通して、私たちはこの個人差に薬物トランスポーターが大きく関与していること、また他の薬との相互作用の原因になることも見出してきました。こうした研究は、最終的に副作用を最小限に抑え、薬効を最大限に引き出すことのできる医薬品の開発、使用法の確立につながるものであり、テーラーメード医療時代を見据えた重要な研究領域であると自負しています。
生体内の主要な異物排泄臓器である肝臓と腎臓には、種々トランスポーターが発現していることが明らかにされてきた。その中には基質選択性の似たものもあり、こうしたトランスポーターを利用することで、医薬品の体内動態特性を最適化できると考えている。図には、薬効標的を同じくするものの、体内動態特性を最適化することで、個人差を小さくすることに成功した医薬品の例を示した。
生体内の主要な異物排泄臓器である肝臓と腎臓には、種々トランスポーターが発現していることが明らかにされてきた。その中には基質選択性の似たものもあり、こうしたトランスポーターを利用することで、医薬品の体内動態特性を最適化できると考えている。図には、薬効標的を同じくするものの、体内動態特性を最適化することで、個人差を小さくすることに成功した医薬品の例を示した。 
肝胆系輸送のhigh throughput screeningシステムとして、肝臓への取り込みと胆汁中への排泄を行う2つのトランスポーターを一つの極性細胞に発現させた(ダブルトランスフェクタント)。ダブルトランスフェクタントでは胆汁排泄に対応する方向性のある経細胞輸送(ベクトル輸送)が観察される。生体内では、脳や腎臓においても、このように複数のトランスポーターが機能的に協関することで、効率的な異物排泄システムを形成している。
肝胆系輸送のhigh throughput screeningシステムとして、肝臓への取り込みと胆汁中への排泄を行う2つのトランスポーターを一つの極性細胞に発現させた(ダブルトランスフェクタント)。ダブルトランスフェクタントでは胆汁排泄に対応する方向性のある経細胞輸送(ベクトル輸送)が観察される。生体内では、脳や腎臓においても、このように複数のトランスポーターが機能的に協関することで、効率的な異物排泄システムを形成している。 

薬品作用学

http://www.yakusaku.jp/
教授:池谷 裕二・關野 祐子
准教授:小山 隆太
助教:佐々木 拓哉・中嶋 藍

薬を使って脳を究める(分子から個体まで、ミクロの解像度でマクロに解析する)

研究課題
  1. 遺伝子発現を用いた学習・情動に関与する神経回路の網羅的全脳解析
  2. 多ニューロン可視化による神経回路の作動原理の研究
  3. 軸索ガイダンスの機構解明と再生医療への応用

 薬理学は「薬の生体に対する作用解明」と「疾病治療薬の開発方法を探る」を二本柱とした、文字通り"薬を理解する学問"です。分子レベルから全身動物までの幅広い知識と高度な技術を駆使して、研究を進めています。
 私たちの研究室では「記憶や情動に深く関係する大脳辺縁系や大脳皮質の役割」を研究しています。とくに、海馬体の機能的役割や扁桃体による調節機構に興味をもち、電気生理学・光生理学・行動薬理学・組織化学・分子生物学などのさまざまな実験技法を応用しながら、科学的難題に立ち向かっています。最初期遺伝子の発現を指標に、神経活動の履歴解析にも取り組んでいます。異種シナプス間の相互作用、スパイク列の時空間的解析、うつ病、てんかんや脳血管障害などとの関連解析などマクロ的視点に立った解析が特徴です。
 脳が高次機能を発揮するためには、機能的神経ネットワークがバランスよく活動することが必須ですが、そのメカニズムはいまだ神秘のベールに包まれています。私たちは最先端のイメージング技術を利用して、ニューロン一個一個の解像度を保ちながら、ネットワーク内のニューロン活動を記録することに成功しました(図1)。スパイク列の時空パターンを解析することにより、構造と機能の解析に取り組んでいます。軸索の伸長やシナブス形成機構についても研究を進め、さまざまな調節機構を明らかにしています(図2)。これらの発見は将来の再生医療にも重要な知見となります。
図1 海馬ニューロンが活動する様子をリアルタイムで捉えました
図1 海馬ニューロンが活動する様子をリアルタイムで捉えました 
図2  神経線維を可視化して軸索ガイダンスを解析しています
図2  神経線維を可視化して軸索ガイダンスを解析しています 

機能病態学

http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~neuropsc/
教授:富田 泰輔
助教:堀 由起子・高鳥 翔・伊藤弦太

神経精神疾患の分子病態解明から治療薬開発の糸口を、そして同時に新しい基礎研究分野を切り拓く

研究課題
  1. γセクレターゼによる膜内配列切断システムの理解
  2. Aβ代謝メカニズム(産生、分泌、分解)とその制御の研究
  3. アルツハイマー病リスク因子がもたらす分子病態
  4. 細胞内小胞輸送の破綻と疾患
  5. 神経細胞シナプス接着分子の代謝メカニズムと機能
  6. グリアを創薬標的とした細胞病態研究
  7. パーキンソン病の分子病態メカニズム解明
 機能病態学教室では、疾患基礎研究を通じて治療・予防・診断法の開発につながる発見を目指すと同時に、新しい基礎研究分野を開拓することを目標として研究を行っています。特にアルツハイマー病、自閉症・統合失調症など神経精神疾患に関連して、発症原因・メカニズムを分子レベルで明らかにし、新たな創薬標的分子機構の同定につなげていこうと考えています。そして同時に、その過程で明らかになる基礎生物学的な発見についても興味を持って研究を深めていきます。異常な状態を知るためには、正常な状態を知らねばならないし、その逆もまた然りです。このサイクルが疾患基礎研究と基礎生物学の根幹をなしていて、その結果お互いの裾野を拡げ、新たな生物学が切り拓かれてきたと考えています。私達は有機化学研究者、構造生物学研究者、臨床医学研究者、製薬企業などとの共同研究も積極的に行い、それぞれの分野での研究展開をお互いに学んで視野を広げながら、マルチディシプリナリーな疾患基礎研究を展開していこうとしています。
アルツハイマー病の発症に関わるアミロイドβ代謝システム
アルツハイマー病の発症に関わるアミロイドβ代謝システム 
アルツハイマー病モ デルマウスにおけるアミロイドβ蓄積抑制因子の解析
アルツハイマー病モ デルマウスにおけるアミロイドβ蓄積抑制因子の解析 

(病院)臨床薬物動態学

http://plaza.umin.ac.jp/~todaiyak/
教授:鈴木 洋史
講師:高田 龍平・本間 雅

各生体分子の機能が集積・統合されたシステムとして生体を理解し、次世代の創薬手法を確立する (薬剤部)

研究課題
  1. 脂質・胆汁酸・尿酸などの生体内輸送を制御する分子メカニズムを解明し、それらの統合的理解に基づく生活習慣病治療法の確立を目指した研究
  2. 骨吸収・骨形成に関わるシグナル分子の動的制御メカニズムを解明し、それらの統合的理解に基づく骨代謝疾患治療法の確立を目指した研究
  3. 創薬段階で意図しなかった分子に対する作用を包括的に考慮した、分子標的抗がん剤の薬理・毒性発現メカニズムの定量的理解と、臨床応用および新規創薬手法の確立を目指した研究
  4. 大規模オミクス解析を用いて、薬物の副作用発現に関わる分子メカニズムを解明し、それらの定量的な理解に基づく副作用発現の予防・治療法の確立を目指した研究
  5. 薬物の体内動態に関連する分子機能の精密な定量化に基づく臨床薬理動態学研究

 これまでの生命科学においては、生体を構成する各種要素を分子レベルまで細分化して機能を明らかにしていけば、生命活動の全貌を理解することに繋がると考えられてきました。しかしながら、ゲノム解読以降の膨大な情報が蓄積してくるにつれて、各生体要素の分子レベルでの機能と、生命活動全体において果たしている機能の関係は、単純な一対一対応では理解できないことが判ってきました。例えれば、車の重要な部品と思われるあるネジがあったとして、その部品のネジとしての機能だけを詳細に調べても、車全体におけるその部品の役割は明らかにならないことに似ています。やはり、数多くの部品がどのように組み上がって全体を構成し、各部品がその中のどこに位置してどの程度機能し、全体としてどのように動作しているのかを明らかにする必要があり、これがすなわち生命活動を「システムとして理解」することに対応していると言えます。薬剤部では、より確実で効率的な次世代の創薬手法を実現するためには、生体をシステム的に理解することが必要不可欠であると考えています。創薬標的になり得る複数の候補分子の中から、最も効果的な標的分子を同定する、あるいは創薬段階の初期において、発現しうる副作用を包括的に予測するなど、現在では未だ解決困難な問題点に関して、システム薬理学の手法を用いて解決することを目指して研究を展開しています。

 

 

(寄付講座)育薬学

http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~druginfo/index.html
教授(客):澤田 康文
准教授(兼):堀 里子・佐藤 宏樹
助教:玉木 啓文

医薬品ライフタイムマネジメント -よい薬を創って、ただしく使って、じょうずに育てる-

研究課題
  1. 医薬品情報の収集、評価、解析、提供に関する方法論の開発と実践
  2. 医薬品情報の規格化・標準化・電子化及びその応用
  3. 生体擾乱因子が薬物の動態・作用に与える影響の定量的予測
  4. 薬物の胎児移行性及びその規定要因の解明

 大学薬学部は、創薬、「医薬品適正使用・育薬(市販後に医薬品を正しく使って、うまく育てること)」を推進して薬物治療の質を改善するという社会的使命を背負っている。そのため医薬品情報学講座では、この世に生を受けた(開発・上市された)医薬品が、その力を十分に発揮し充実した「薬の人生」をおくることができるようにする(これを医薬品ライフタイムマネジメントという)ためのさまざまな研究を展開している。
 この医薬品ライフタイムマネジメントのバックグラウンドとなるのが、我々の研究フィールドである「医薬品情報学」であり、そこでは医薬品情報の1) 適正な収集、2) 薬物動態・動力学に基づく評価・解析、3) 種々危険因子による薬物動態・作用変化の定量的予測4) 最適な規格化/ 標準化/ 電子化、5) 医療現場に対する適切な提供、などを取り扱う。具体的な研究内容は、in vitro試験や臨床試験による医薬品情報のエビデンスの構築から、薬物治療を支援するコンピュータシステムの構築、医療現場におけるさまざまな医薬品情報(症例や事例を含む)の解析・共有・活用システムの構築研究など、多岐にわたっている。
医薬品開発のセントラルドグマは、創薬→医薬品適正使用→育薬→創薬→・・・・・・・のサイクルである。
医薬品開発のセントラルドグマは、創薬→医薬品適正使用→育薬→創薬→・・・・・・・のサイクルである。 
薬物の胎児移行性を検討するためのヒト胎盤灌流実験法の模式図
薬物の胎児移行性を検討するためのヒト胎盤灌流実験法の模式図 

(寄付講座)ヒト細胞創薬学

教授(兼):池谷 裕二
 


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